ミスト発生現象の解明
早朝の濃霧の発生(米沢市)
季節、場所を問わず発生する霧・ミスト
我々の周りの空気は性質の違う水蒸気と空気の混合気体である湿り空気です。霧・ミストはこの湿り空気中の水蒸気分圧が水の飽和蒸気圧を超える(過飽和)ときに発生します。
微細水滴を噴射することで周囲から蒸発潜熱を奪い温度を下げるミスト冷房・冷却などもありますが、本研究ではミストの発生に焦点を当てています。
現在では空調機の高性能化による急激な温度変化、PM2.5や排気ガスなどに含まれる様々な化学物質が凝縮核となる等、様々な要因によって引きこされます。
ミストは視界不良、カビの発生、健康被害も引き起こす現代の課題のひとつなのです。
霧・ミストが発生する様々な状況
早朝の濃霧の発生は視界不良を引き起こし、交通事故の原因にもなります。
夜の降雨時にミストが発生した際には、ライトや街灯の光の散乱を引き起こし、これも視界不良の原因となります。
梅雨時や車の中でエアコンを使用した際にミストが発生することがあります、これも家屋の痛みや健康被害の原因となります。
これらの発生を制御する方法を探る、まさに「雲をつかむような話」がこの研究なのです。
ミスト発生実験装置
実験装置は非常にシンプルで、低温(0~15℃)と高温(25~40℃)の恒温室(500×500×500)を開閉窓で接続したものです。
窓を開くと同時にファンで一方の恒温室からもう一方へ湿り空気を送り込み、ミストの発生する様子を観察します。
湿り空気の状態、凝縮核の有無、流速、接続部などパラメータを変更しながら、現在は実験を行っています。